《尼崎青年会議所 2021年度入会 三浦拓郎 職種:医療業》
夜間に子供が熱を出した時
時々「子供が熱を出している。診てもらえないか?」とお問合せをいただくことがあります。
夜間など子供が熱を出した時、どうしたらいいか困りますよね。
このポイントについてお話します。
まず、発熱がある子供の診療を急いだ方がいい場合についてご説明します。
①呼んだり刺激しても起きない/すぐ眠ってしまう、顔や手足の色が悪い(青白い、紫色)、
脈が触れない、呼吸が非常に荒い/弱い(※重症感染症の可能性があります。)
②生後3ヶ月未満の発熱
乳児は胎盤や母乳(初乳)からの移行免疫により伝染病に罹りにくくなっているため、
この時期に発熱を認める場合は特殊な感染症や免疫不全が隠れている可能性があります。
③唾が口から流れ飲み込めない、口を開けられない
咽頭喉頭付近に強い炎症を起こしている可能性があります。
④飲み食いができず、ぐったりしている
水分摂取が全くできない場合、入院が必要になる可能性があります。
これらの場合でも慌てず、まずは医療機関への問い合わせや相談をして下さい。
写真や動画を撮ることも情報共有に役立ちます。
熱が高くても、子供が笑顔で食事水分摂取をできていれば翌日まで様子を見てもいいと思います。
かぜ症候群について
次に、かぜ症候群についてご説明します。
鼻腔から喉頭までを上気道と言います(逆に下気道は気管から肺までの範囲です)。
ここに急性の炎症を起こし、鼻水・咽頭痛・咳といった症状を出す物をかぜ症候群と言います。
原因微生物の80~90%はウイルスと言われ、ウイルス性であれば安静・水分・栄養補給で自然治癒します。
もしどんどん体調が悪くなったり、数日してもよくならないという場合は医療機関にご相談下さい。
ちなみに、抗菌薬(抗生物質)は細菌に対する薬でウイルスには効かないため、かぜで処方することはほぼありません。
(参照:日本呼吸器学会HP http://www.jrs.or.jp)
風邪の治療の基本は安静・水分・栄養補給!!
最後に、熱を下げた方がいいのか、についてご説明します。
解熱剤は「一時的に熱を下げる薬」であって「病気を治す薬」ではないです。
また使いすぎによる障害や副作用のリスクもあるため、
「〇〇℃以上で飲まないといけない」や「□時△時に飲ませる」などという考えでは使い過ぎになる可能性があり注意が必要です。
風邪による症状であれば、治療の基本は安静・水分・栄養補給です。
解熱剤の成分としては、子供にはアセトアミノフェンかイブプロフェンを使います。
総合感冒薬は子供に適切でない成分が含まれることがあるため、子供には使いません。
発熱などの症状で辛そうな場合に薬を飲ませてあげるのがいいと思います。
熱があっても子供が元気な場合は必ずしも熱を下げないといけないということはありません。
以上です。何かしらお役に立てたら何よりです。