「1人じゃないよ」
この言葉を日々育児に奮闘するママさんへ伝えたい。
この《今月のまちのリーダー》では、子育て支援に携わっている方にインタビューをさせて頂き、ご紹介するコーナーです。記念すべき1人目として、尼崎市稲葉荘にてsandwich homeを経営されている店主の白川真奈さんが、快くインタビューに応じて下さりました。
藤井
本日はお忙しい中お時間を頂き、有難うございます!
まずは自己紹介をお願い致します。
白川さん
尼崎市武庫之荘出身で短大まで尼崎に住んでおりました。そこから東大阪で3年間、服飾について学ぶため、職業訓練校が併設されている会社で17時半まで働き、仕事が終った後、訓練校に通い縫製の資格を取るため勉強していました。
池田
充実しながらも、とてもお忙しい日々ですね。
白川さん
その後、順調に資格も取れ技術も学べました。退職して、その後スターバックスで1年間働き、結婚を機に徳島に行くことになりました。徳島で妊娠と出産をし、パン屋とカフェでバイトを掛け持ちして働きながら子育てをしていました。そして子供が1歳、2歳の頃に尼崎に戻ったのをきっかけに、起業をするため1、2年かけて構想を練りつつ物件を探し、現在自宅の1階をサンドイッチ屋として営んでいます。
藤井
将来的に何かお店をしたい、と社会人になった時から考えられていたのでしょうか?
白川さん
決意したのは、子供が入院した時でした。ある日インフルエンザで高熱になり、熱が下がってきた4日目に意識がなくなり、そして痙攣を起こしました。救急車を呼んで病院に運ばれ、そこから2日間意識がなかったんです。その状態を見て、人はいつどうなるか分からないし、生きてることも歩いてることも全部奇跡だと感じたんです。息子のかかった病気がミトコンドリア病というもので、そのまま意識が戻らないか、戻ったとしても歩けなくなる、そしてどんどん喋れなくなり、笑えなくなり、寝たきりになるでしょう、と医師から告げられました。しかし、とてつもない回復力で、普通の状態に戻り、そこからゆっくりではあるけど成長してくれました。入院は3週間していたのですが、退院後また熱が出て食欲がなくなったら入院をしないといけず、同じ繰り返しでその生活が続くと会社員としてはやっていけないなと。熱が出て大変なので3週間休むなどはできないと思い、そこで決意しました。自分でやっていくしかないと。働きたいならば何か自分で会社を何か始めないと働くことはきっと難しいと。
藤井
当時とても大変だったと思います。その中で起業する決意をされたのは凄いことだと思います。そしてこのお店は今年の1月にオープンし、たくさんのお客様やリピーターの方が増え、とてもお忙しいのではないのでしょうか。
白川さん
ありがたくもオープン当初から緩やかに忙しくなり、4月のピクニック時期にピークがきました。夏は少し落ち着いてた気がします。
池田
来店されるお客様のほとんどは口コミですか?
白川さん
そうですね、広告は特に出していないので。
藤井
これだけ多くのお客様が日々お越しになってるにも関わらず、おひとりで経営されているのが本当に凄いと思います。今後人材を増やし、もっと店舗を大きくしたいなどのお考えはあるのでしょうか。
白川さん
考えはあります。将来、この自宅一棟を丸々利用して、子育てするママさんたちが気楽に自分の限られた時間の中で働ける仕組みを作りたいと思ってます。今は2階と3階で生活をしていますが、2階にもキッチンがあるので、例えばそのキッチンで0~2歳児を育児しているママさんたちが仕込みをしてくれていて、キッチンとリビングが繋がっているので、そのリビングで子供たちを遊ばせながら、代わる代わるママさんたちが誰か見守って誰かが仕込みをするみたいな仕組みを作り、1階はお店として稼働させたいと思ってます。3階には2部屋あるんですが1部屋が12帖あるので、そこで3ブースくらい作って、ネイルしてる人がいたり、写真撮影してる人がいたり、ハンドメイド作ってる方がいたりなど。もう一つの部屋は縫製の作業部屋にして教室を開きたいです。縫製を学んできた私の考えですが、世間で縫製の技術がすごい安く見られている。みんな安いものを購入してしまうけど、どうしても服だけが全然価値が上がらない気がしてます。服って2万円しても私からしたら安いと思います。服って手間がかかってると分かってもらいたいし、私が持っている技術を伝えることによって質のいいハンドメイドを作れるママさんが増えていく、売れるものが作れるような仕組みを作れる教室を開きたいと考えてます。子連れで行けるし行ってみようか、働いてるママさんが仕事終わりにネイル行ってみようとか、気軽に来て頂ける。この1棟で母経済が回る、みたいなのを考えています。
池田
とても素敵ですね!私も通いたいです。
白川さんが心を込めて縫製された服も店内で販売されている
藤井
続いてお店の魅力を教えて頂けないでしょうか。
白川さん
ホットサンド1つで栄養が取れるようにしてることです。生の野菜を入れるのではなく全部火にかけて、1つ1つ調理したものを合わせ、温かみのある商品にしています。また使用する食材もできる限り添加物の入ってないものを使い、油もこめ油やオリーブオイルやバターなど、健康に気遣った優しいものをイメージして作ってます。ママさんたちが、育児や仕事で少し頑張った日のご飯として、自分のため、自分が食べるために買いにいこうって思ってもらえるようなお店であることが魅力だと感じている。
藤井
本当にサンドイッチは手軽ですし、その中でも白川さんが健康や栄養に気を遣い、心を込めて作られていることが、日々お客様やリピーターが増えている秘訣と思います。
白川さん
有難うございます。
藤井
最後に、子育て世代のママさんへ向けた、そして子育て支援サイトを立ち上げた尼崎青年会議所に対する期待など、メッセージを頂けないでしょうか。
白川さん
子育てするママさんへは「1人じゃないよ」っていう言葉を伝えたいです。このインタビューを見て下さってるのは、恐らく尼崎や近隣の市の方だと思います。少し視野を広げたら助けてくれる所っていくつかあって、きっと社会から切り離された感とか孤独感があると思うんですけど、全部一人で本当に抱え込まずに、少し勇気を出して視野広げて、一歩でも出てみたら助けてくれる人はいっぱいいると思う。助けてもらうことが子育てしてる人にとっては多分当たり前というか、助けてもらっていい権利もあると思うし、もっと頼ってもいいと思います。
青年会議所の皆様へは、サイトの存在を多くの方に知って頂いて、ヤフーニュースを見る感覚で、毎朝このサイトを見て記事を読んで1日が始まる、尼崎市民の日課になるサイトにしてもらえたら、と思います。
藤井
期待を寄せて頂いて有難うございます!お応えできるように日々情報を集め、サイトを充実させていきます!本日は記念すべき「まちのリーダー」1人目としてインタビューをお受け頂き、本当に有難うございました!
白川さん
有難うございました!
《sandwich home》
営業時間:午前8時半~午後3時
定休日:日曜日、月曜日
平日はイートイン可、土曜日はテイクアウトのみ。
住所:尼崎市稲葉荘2-1-7
TEL 050-1462-7307
(取材 尼崎青年会議所 2023年度広報委員会 藤井、池田)