今月のまちのリーダー

【2月】こども基地arika 代表 若松さん

 

3つのコンセプトを持った児童ホーム

 

藤井

本日は、よろしくお願いします!

 

若松 様

こども基地arika 代表の若松と申します。

arikaは3つのコンセプトで児童ホームを営んでおります。児童ホームは民間の事業所や学校施設などでもたくさんありますが、1つめに当ホームの特徴として、専業主婦の方や勤務時間が少ないお母様にもご利用頂けます。勤務時間が多いお母様は既存の児童ホームが利用できます。しかし前者のお母様も同じように、日中はパート等で忙しく、帰宅後お子様の面倒を見たり、家事をされたりと忙しい時間が続きますし、コロナ禍によって様々な制約があり、思うように子育てや家事や自分の時間が使えない方が増えているので、そういったお母様に何かお役に立てないかと思っています。

2つめはお子様がやりたい事、感じている事、考えている事を最大限に尊重すること。子どもを尊重するというのは、なかなか口で言っても難しい事なのです。「これをしましょう」と大人が提案しても、子どもが乗り気にならなければなかなか難しいことです。子どもは何がしたいのか、子どもが感じていることは何か、様々なことを大人が察した上で子どもに寄り添う姿勢を見せることで、子どもが前向きに取り組んで解決に向かうこともあります。また、子どもに決めさせる機会を多く設けたり、大人が待ってあげることで、子どもが意欲的に取り組むケースもでてきます。そのような観点から、私やスタッフは、子ども達とじっくりと向き合うことを大切にしています。

3つめはコミュニティスペースを併設していることです。そのことで子ども達に様々な機会や人との出会いを提供することができます。

 

藤井

なぜ、そのコンセプトを持った事業をしようと思われたのですか?
背景やきっかけとなるエピソードを教えて下さい。

 

若松様

私は大学生と高校生の子どもを持つ保護者ですが、典型的な口うるさい母親でした(笑)

子どもがすることに口出しをしていたタイプでした。親心であったのですが過干渉というような関わり方だったと思っています。そして、自分自身に余裕が無くなった状況で子どもと向き合っていた時、やはり自分の枠にはめたがる傾向がありました。そんな自分自身に、自己嫌悪を抱くというような経験もしました。その中で、伊丹市内の小学校でPTAやコミュニティ活動をしていた時に、子どもが自発的に決めたことは子どもが楽しんで取り組むようになる、そうすると失敗しても気にならなくなる、そういった場面を目の当たりにしました。

 

 

藤井

こども基地arikaさんは12月に武庫之荘でオープンされてます。様々な背景があるかと思いますが、これまで活動拠点とされてきた伊丹市ではなく尼崎市にオープンされた理由があれば教えて頂きたいです。

 

若松様

伊丹市では、学校の中にある児童ホームがほとんどで民間の事業所はあまりなく、1つあるかないかと聞いてます。伊丹市はなぜ民間の事業者様がいないのか、民間の事業者様がいても市から補助金が無かったのか等お聞きしたら、勤務時間が多いお母様が少なくニーズが学校だけで満たされている。また待機児童もいないということを伺いました。しかし私の周りのお母様方にお聞きすると、本当は児童ホームを利用したいが、勤務時間が少ない、ご主人の扶養を外れないといけない等、様々な負担制約があり、使いたいけど使えないという声がありました。そのため新規に事業所を開設しても、もしかしたらニーズが違う、利用することへ踏み切るのに時間がかかると思いました。また、私が伊丹市民ながら尼崎でもコミュニティ活動させて頂いた中で、色んな方と情報交換したり協力したり、ご縁がたくさんできたので、その繋がりを大切にして一緒に取り組んでいきたいという思いがあり、尼崎でオープンしました。

 

 

多くの方々の想いが詰まった温かい空間

 

 

藤井

この施設は自分の家のように、暖かさやアットホーム感がありますね。他にもarikaさんの良さや魅力を教えて頂きたいです。

 

若松様

内装に関しては、業者さんだけではなく友人や知人など様々な方のご協力を頂いて作ることができました。内壁は塗料を塗る際、ホームに来て下さった親子の手形を押したりしてます。また玩具や絵本、掃除機や冷蔵庫、テーブルやコタツなどの備品は、お立ち寄り頂いた方や含め様々な方がお譲り下さりました。物を大事に使っていた思い出、そしてここで子どもがのびのび過ごせる場所にすることに共感を持ってくださる方々の想いがあり、温かみを感じて頂けるところが魅力的な部分です。またホワイトボードは、お家の冷蔵庫みたいにプリントやメモがたくさん貼っていてお恥ずかしいのですが、自宅にいるような雰囲気もあってホッとして頂けたら有難いです。

 

 

藤井

本当に明るい雰囲気ですし、通りがかりの方の目も引くと思います。今日みたいに寒い日は特に立ち寄りたくなってしまいます(笑)

 

若松様

実際にイベント参加者や児童ホームの無料体験に来て下さる方以外にも、ふらっと寄って下さる方も多いです。昨日もシニアの方が19時過ぎにお立ち寄り頂き、ハンモックに乗って「とても落ち着くね」って言って頂いたり、「ここはどういうスペースですか?」と立ち寄って下さったり、 時には「〇〇ってどこにありますか?」ってドア開けて聞きに入って下さったりします。色んな方が立ち寄って、ちょっとお困りのことがあったら、何かお役立てできたらと思います。

 

藤井

とても素敵な場所ですね。これからも利用者だけでなく、まちの方全員が心安らぐ場所になってくれるよう願っています。

 

若松様

有難うございます。

 

 

1人で悩まず、誰かに話したり、会ってみて。

 

 

藤井

若松さんから子育てに日々奮闘されている方々へメッセージを頂ければと思います。

 

若松様

我が子が小さかった頃の環境からすると、現在はもっと忙しく、難しいことがいっぱいあり、本当に大変な中奮闘されていると色んな方からお話を聞いて感じます。しかし、頑張っているのに「私はちゃんと子育てできない」って悩まれている方もたくさんいる。子育てをして「これでいいか分からない、なかなかうまくいかない」、そういう悩みが「ちょっと喋ってスッキリする」「解決しなくても聞いてくれる人がいるっていうだけでほっとする」、そういうことが今はしにくいと感じています。

 

私がPTAやコミュニティ活動をしていた際、「お母さん、お父さん達を応援したい人」「困っている人に親切をしたい又はしている人」が世の中にたくさんいると日々感じていました。なので、どこかに出かけたり、もしくは新しい場所、オンラインのコミュニティサイトでもいいです。何か違う場所、誰かが勧めてくれる場所に一度行かれてはいかがでしょうか。きっと助けてくださる方、応援してくださる方にきっと出会えると思います。悩んでる時って「自分はダメなんじゃないか」と思ってしまったり、「周りの人が助けてくれない」というような気持ちになったりする心境はあると思いますが、本当にそういう方がたくさんいるので大丈夫ですよってお伝えしたい。1人で悩みを抱えていると本当にしんどくなって、一緒にいる子供をはじめ家族に影響が出てしまうこともあるので、特にお母さんは「自分がどう感じているのか、どうしたいのか」というのを見つめる時間を持ってもらいたいです。自分が本当にしたいことを考えて、嫌なことを減らして自分の好きなこと増やすようにしていくと楽しい時間も増える、お子さんとの時間も楽しくなる、そんなことをお伝えしたり、このホームに来てそんな風になってもらえたらと思います。

 

藤井

私も5歳の娘、3歳の息子を持つ父親であるので、日々奮闘してくれている妻に感謝の気持ちを伝えながら、そういう時間を作り、子育ても頑張っていきたいと思います。

 

 

頑張り続けず、どこかで休んでもいい。

 

若松様

最近はパパがお買い物を手伝ったり、保育園の送り迎えをしたり、本当にすごいと思います。仕事をしていたらうまくいかないことってやっぱりあるじゃないですか?1日の労働を終えた後、家に帰っても奥さんをいたわり、子供の遊び相手をして、家事も協力してってなったら本当にお父さんは寝る時間以外ずっと頑張らなきゃってなると思うんです。同じようにお母さんは子育て中心の生活をして、それも思うようにならない。お母さんも家事と育児と色んなことを頑張らなきゃ、という時間も多いと思います。男女問わず、自分で趣味の時間作る、週一回はキャンプに行く、とか自分が本当に心の底から喜べる時間を大事にしたりすれば、しんどかった気持ちも楽になったり他の人に対しても余裕ができたりすると思います。 夕飯もなんでも手作りじゃなくて買ってくる、たまにはお昼までパジャマ着たままでゴロゴロしてたっていい。しんどかったら一回休んでもいいと思ってます。価値観は人それぞれ違うと思いますが、自分でこうしなきゃいけないと思っていることで、しんどいと思ったら、やめてみたらいいと思います。その時に感じることや、やめても別によかったんだ、と思うことがあるかもしれないし、もう少し楽に過ごせる時間を増やしたら力が絶対湧いてくるので。

 

尼崎青年会議所へのメッセージ

 

藤井

最後に尼崎青年会議所へ今後の期待を含めたメッセージを頂けないでしょうか。

 

若松様

私がPTAで活動させて頂いていた時、伊丹青年会議所さんにも本当にお世話になり、色々素敵な活動されているなと思っていました。今回も尼崎青年会議所さんが子育ての支援サイトを開設されたと聞き、私からすると青年会議所の皆様はとてもご活躍されており、様々なことに取り組まれ、人間力のある方もたくさんいらっしゃって、国際的な組織と認識しています。そんな組織が尼崎市の子育て支援に着目されていることが、子どものことを皆で考えていくことが社会や経済にとっても大事なことで、子供の取り巻く環境についても、もっと良くしたい、良くなって欲しいって思う方がいる表れだと思ったので、とても感激しました。そのサイトに取り上げて頂け、本当に嬉しいです。青年会議所の皆様の取り組みや運動をされてるのを知らない方もいらっしゃると思うので、取り組みを知ってもらえる架け橋になれたらと思ってます。

 

藤井

嬉しいメッセージを有難うございます!

あまっコミュニティも充実させ、微力ながら子育て世代の方のお力になれるよう頑張ります!

本日はお忙しい中、有難うございました!!

 

若松様

有難うございました。

 

 

こども基地arika

【住所】尼崎市武庫之荘1-19-12 プラザ武庫之荘1F

【TEL】080-1457-8249

【営業時間】10:00~18:00

(児童ホーム)平日15:00~18:00 長期休暇中は9:00~18:00
【定休日】不定休